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2月21日のまにら新聞から

盛り上がるスポーツ

[ 701字|2011.2.21|社会 (society)|新聞論調 ]

パッキャオとアスカルズ効果

 比のスポーツは、かつてこれほど継続した大衆の、特にメディアの関心を得たことはない。パッキャオ現象に続くサッカー比代表アスカルズの出現で、確実にスポーツ熱が高まっている。

 これは長い間、切に願ってきた瞬間だ。スポーツは若者に規律と努力、やる気、勇気、フェアプレー、スポーツマンシップの精神と価値観を教えることができる。何よりも、あらゆる人々を一つにし、国民意識を感じさせる力を持っている。

 長年にわたって、わたしたちはパッキャオ選手がリングに上がる度に人々が抱く特別な思いを感じてきた。試合当日は全国で犯罪発生率が低下し、イスラム反政府組織や共産党の新人民軍でさえも銃を置き静まる。

 アスカルズがボールに触れる度に応援の声を上げるパナアド・スタジアムを埋めた観客の姿にわたしは安堵(あんど)した。確かに、試合そのものよりも、チームの大半を占めるヨーロッパ系比人選手の端麗な容姿と謙虚な態度が、比人女性たちを熱狂させたのは違いない。しかし、これは何も悪い傾向ではない。「結局、見た目か」と非難することでこのスポーツ熱を消すべきではない。むしろこれは良い始まりであり、サッカーの試合に足を運ぶようになれば人々は直にサッカーの美しさと試合の複雑さを評価するだろう。

 世界で最も高い人気を誇るサッカーに参加することで比人の価値観が高められ、比にとって競技と国際的な友好関係に新しい世界を切り開く。

 パッキャオ選手のように、アスカルズも国民の生活と国造りに必要なスポーツの価値に光を当てた。誠実さと団結の精神。これこそスポーツの神髄だ。

(14日・インクワイアラー、ロニー・ナタニエルス氏)

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