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12月13日のまにら新聞から

職場環境見直しを

[ 730字|2010.12.13|社会 (society)|新聞論調 ]

コールセンターの実態

 コンピューター関連企業最大手のIBMの最新報告書によると、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)産業で比がインドを抜いて世界1位となった。別の専門家の指摘では、同産業の中でもコールセンター分野で比は今年の総収益が57億ドルに上り、インドを2億ドルも上回ると予想されている。

 ニュースとして聞こえはいいが、実際の職場環境は決して明るくない。特にコールセンターは離職率の高さで知られている。

 エネルギッシュで、熱意のある若者がコールセンターの広告に魅せられて就職すると、まず仕事の難しさや極度にストレスをためるという現実に直面する。ストレスによる燃え尽き症候群はやがて病気を引き起こすことから、同分野の職場はしばしば「21世紀の奴隷船」と皮肉られている。

 最近の研究報告によると、夜勤は女性の乳がん率を高める。また国際労働機関(ILO)は、夜勤が睡眠障害をもたらすと指摘しており、実際、従業員の半数は不眠症に苦しむという。

 そのほかストレスの原因とされるのは①顧客からの嫌がらせ②過労③高い業績への要求④仕事の単調さ︱︱など。このため一部企業の離職率は100%にも上る。高い離職率は劣悪な職場環境を示している。

 BPO産業の核となる要素は人員である。だから従業員は大切に扱われなければならない。長期的な視野で見れば、企業側も従業員のストレスを軽減させ、離職率を改善したいと望んでいるはずだ。再雇用し、同じ仕事で新人を訓練するのは経費がかさむ。

 業界側は、数ヶ月ごとに従業員を使い回す現状を改善し、若者がコールセンター分野を生涯の仕事と誇れるような工夫をすべきだ。(7日・タイムズ、アーネスト・ヘレナ氏)

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