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12月13日のまにら新聞から

独立性の欠如

[ 710字|2010.12.13|社会 (society)|新聞論調 ]

最高裁の違憲判決

 最高裁がアキノ政権に不利な判決を出した場合、「アロヨ前大統領に恩義を受けた判事で構成されている」と非難される。しかし、現政権に有利な判決の場合には「司法の独立性」が称賛される。

 アキノ元大統領は就任直後、マルコス政権下で任命された最高裁判事全員を辞任させ、側近で固めた。その結果、最高裁は米国に亡命したマルコス元大統領の帰国を認めない判決を下した。さらに、アキノ元上院議員暗殺事件に関与したとして起訴され、無罪となった当時の国軍兵が再び裁かれる異例の事態を招いた。

 アロヨ前政権下でも最初の5年間は政権寄りの判決が多かったが、アキノ陣営から異議を唱える声は出なかった。アキノ陣営はこれまで、政治的立場や倫理観に一貫性があると指摘されたことがなかった。彼らは今、前政権の不正疑惑を追及する真実究明委員会の新設に関する大統領令について、違憲判決を出した最高裁に猛烈に反発している。

 最高裁は判決で、「前政権関係者に限定されている」と違憲性を指摘した。同委員会メンバーたちは、前大統領の側近か否かを問わず、さらに行政だけでなく司法や立法府までも疑惑調査の対象にすることを念頭に、同大統領令の修正を検討している。

 こんな馬鹿げた主張があろうか。この修正案は三権分立の原則を侵害している。誰がアキノ大統領とその側近の疑惑を追及するのだろうか。

 エストラダ元大統領が退陣に追いやられた政変を認めるなど当時、憲法違反者と指摘された委員長のダビデ元最高裁長官は、同大統領令策定の際にアキノ大統領らに助言を与えた。助言は憲法に抵触している可能性があり、最高裁から破棄を命じられるのも無理はない。(9日・トリビューン)

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