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11月15日のまにら新聞から

過去に捕らわれるな

[ 731字|2010.11.15|社会 (society)|新聞論調 ]

米元大統領の提言

 時には外部の人間が母国の良い点を評価したりするものだ。クリントン元米大統領がこのほど、フィリピンを訪れて行った演説がそうだった。元大統領は、比が潜在力を発揮するのにあまりにも時間がかかり過ぎているのはなぜかと質問された際に、「あなた方は新しい歴史の夜明けを迎えているように思う」と答えたのだ。

 彼は、「シンガポールより(発展に)時間が掛かっているのは驚くにあたらない。なぜなら、あの国は小さな国だからだ」と述べた。また、「中国のような高成長を遂げるのに時間がかかっているのは驚くにあたらない。あの国はここよりはるかに専制国家だからだ」と説明した。

 元大統領はさらに、「比は地熱発電という利点を持っている。10年後には地熱資源を研究する者たちが世界中から集まってくるだろう」と予測した。また、「識字率も高く、天然資源が豊富なこの国は前進するだろう」と評価した。アキノ大統領についてもクリントン氏は、「エネルギッシュで情報をよく収集出来ている」と分析してみせた。

 聴衆が特に感心したのは二つの指摘だった。一つ目は、中国やインド、ベトナムがそうしているように、海外で成功し教育を受けた比人を帰国させ、国造りに参画させるべきだ、と訴えた点である。また、教育を通じて国民の考え方を変えさせ、仕事を提供して国外への流出を防ぐべきだとも指摘した。

 二つ目は、彼がルワンダを見習うように示唆した点である。この国は民族間の虐殺事件を乗り越え過去10年以内に4倍の経済成長を成し遂げた。その理由は過去の苦悩にとらわれず、先に進むことに集中したからだという。過去の政権の罪にこだわっているアキノ政権は、このアドバイスを心に刻むべきだ。(12日・スタンダードトゥデー)

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