人気取りの声明はよせ
アキノ大統領への忠告
国民の支持を集めている大統領だが、国際的な評価は反対になっているかもしれない。バス乗っ取り事件の救出失敗とその責任者の訴追勧告を水に流した問題。また、ベトナムへの公式訪問に随行した大統領府高官のブログへの不適切発言もあった。
さらに、大統領は過去数週間、米、英、豪州など6カ国によるテロ攻撃の恐れによる渡航注意勧告を深刻に受け取らないばかりか、比政府にそのような機密情報を伝えなかったことに不満を表明した。
しかし、6カ国の大使館は国家警察や国防省に対し今月1日には事前の通告を行っていたというのだ。これについて国家警察は認めたが、ガスミン国防長官は否定した。これは国軍内に機密情報を隠すか紛失させた者がいたのかもしれないが、いずれにせよ、世界各国が比政府と西欧6カ国のどちらを信じるかは、聞くまでもないだろう。
実際、大統領は繰り返し選挙運動モードに戻る。確たる事実や分析に基づかないで批判にただ反論するという印象だ。選挙期間中であれば事実に基づいていない冗談半分の声明を出してもすぐに忘れられた。しかし、6月30日を境に彼の言葉は国の政策として真剣に受け止められるようになったのだ。
最近も、台風フアンがルソン島を直撃したわずか数時間後、大統領は救出や救援体制に大変満足していると声明を出した。米の輸入も必要ないと確証した。しかし、大統領より数時間遅れて現地を視察した農務長官は米輸入が必要だとの認識を示した。
国民の信頼度が高く、メディアも味方についている間は良いかもしれないが、そのうちに人気取りの声明だけでは国民を納得させられなくなる。汚職撲滅や雇用創出、財政問題などで明確な姿勢を示すことが求められる。(12日・タイムズ、リカルド・サルド氏)