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4月19日のまにら新聞から

鍵握る前大統領

[ 744字|2010.4.19|社会 (society)|新聞論調 ]

次期大統領選

 過去3回(1992、98、2004年)の大統領選で、当選者の得票率は5割を大きく下回った。つまり、過半数を超える国民が当選者に「不支持票」を投じたわけだ。

 92年の大統領選を制したラモス元大統領の得票率は23・58%。次点のサンチャゴ上院議員との得票率差わずか4ポイント(約87万票)のきわどい勝負だった。選挙には、サンミゲル社のコファンコ会長とイメルダ・マルコス元大統領夫人も立候補し、得票率18・17%、10・32%をそれぞれ獲得した。この2人の選挙協力が実現していれば、ラモス元大統領を負かすことができただろう。

 2004年の選挙では、アロヨ大統領(得票率39・99%)が大方の予想を覆して、国民的俳優の故ポー・ジュニア氏(同36・51%)を破った。1992年と同様、ポー氏とラクソン上院議員(同10・88%)が連携して、野党票を1候補に集中させれば、アロヨ大統領の再選を阻止できたはずだ。

 98年の選挙で、地滑り的勝利を収めたエストラダ前大統領ですら、得票率は39・86%。ラモス元大統領らと同様、「少数派に支持された大統領」だった。これら大統領選の結果が物語るように、国民的人気や選挙不正システムをもってしても、「多数派の大統領」になることは至難の業なのだ。

 では、アキノ上院議員をビリヤール上院議員とエストラダ前大統領が追う次期大統領選はどうか。

 アキノ、ビリヤール両議員のどちらが当選しても得票率5割を大きく下回る状況下、エストラダ前大統領の動向が重要度を増しつつある。アキノ、ビリヤール両陣営にとって、前大統領取り込みは勝利に直結するためで、前大統領が選挙のすう勢を決する「キングメーカー」になるかもしれない。(11日・スター、バベ・ロムアルデス氏)

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