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3月29日のまにら新聞から

宣伝依存の不幸

[ 695字|2010.3.29|社会 (society)|新聞論調 ]

TV放映時間超過問題

 次期統一選の投開票まで45日以内に迫っている中、大統領有力候補のビリヤール、アキノ両上院議員が、公正選挙法で規定されたテレビ向け宣伝時間120分をすでに超過していることが民間調査会社の調査で明らかになった。中央選管は法律違反者としてこの2人を処罰できるだろうか。恐らく警告にとどまる可能性が高いだろう。

 この調査結果に信ぴょう性があると仮定した場合、両候補が直面する問題は、投開票日が近づいてもこれ以上宣伝を許されないことだ。であれば、どんな手段で有権者に支持を呼び掛けるのか。

 別の民間調査会社によると、有権者の64%は「大統領を選ぶ際に最も影響力を持つ情報源はマスメディア」と回答したという。

 テレビやラジオ視聴者の考え方は変わりやすい。各候補者が映っているコマーシャルが流れなければ、有権者の判断に影響を与えることになる。ニュース番組のキャスターや司会者らがしばらく姿を見せなければ、市民の記憶から消し去られるのが実情だからだ。

 両候補は宣伝時間の超過に加え、他の上院選候補者のコマーシャルにも登場していると批判されている。そんな不利な状況で有権者の1票を獲得するためには、テレビやラジオの取材に応じる、もしくは地方を中心に全国を回って選挙運動をする手段しか残されていない。

 この国では、各候補者が有権者の心をつかむためにはテレビ宣伝に依存せざるを得ないという不幸な現実がある。宣伝時間を超過してしまった今、アキノ議員らは有権者1人1人に現場で直接訴えるしかない。しかし、投開票まで45日を切った今、全国各地を回って遊説するのは不可能だ。(27日・トリビューン)

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