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3月22日のまにら新聞から

国威発揚、若者の啓発

[ 708字|2010.3.22|社会 (society)|新聞論調 ]

五輪選手の育成計画

 挑戦者、ジョシュア・クロッテイ選手が守りを固め続けたことで、王者、マニー・パッキャオ選手によるKOシーンは見られなかったが、比国民はパッキャオ選手のタイトル防衛には大いに満足した。体を張り、相手選手をなぎ倒すことで、パッキャオ選手は今や、億万長者にのし上がったが、それは貧しい環境からはい上がろうと、たゆまぬ努力を重ねた結果にほかならない。

 と同時に、祖国フィリピンを誇りとするパッキャオ選手が勝ち続けることで、比ボクシング界には彼を目標に、技術を高めようとする気運が生まれている。政府は向上心の強く、祖国愛にあふれる若きボクサーたちの育成に力を入れる必要がある。

 2012年のロンドン五輪大会まで、あと2年半。フィリピンが同大会でメダルを狙える種目は「ボクシング」をおいてほかにはない。この良き伝統を守るため、政府は世界に通用するボクシング選手の育成を図るべきだ。

 英国の大手警備会社、G4Sは発展途上諸国の優秀な選手を後援することで知られ、同社は今、比の有望ボクサー、チャーリー・スアレス選手を傘下に抱え、育成活動を開始した。そのお披露目を兼ねて、G4Sはこのほど、陸上長距離の金メダリスト、ハイレ・ゲブレシェラシェ氏をマニラに派遣、五輪選手が国威発揚、若者たちの啓発に、いかに役立つかを強調してみせた。

 ゲブレシェラシェ氏は祖国エチオピアでは、この国のパッキャオ選手と同様の存在で、国民のあこがれの的。2人に共通するのは勝利に向けた決意、努力、自制心を持つこと。国民に良い刺激を与えるのはこうした特性。政府はパッキャオ選手に続く愛国心にあふれた若い選手育成に力を注ぐべきだ。(16日・スター)

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