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12月14日のまにら新聞から

目標は選挙前改憲

[ 708字|2009.12.14|社会 (society)|新聞論調 ]

戒厳令と作戦計画

 ミンダナオ地方マギンダナオ州における戒厳令布告の是非を審議する上・下院合同議会が始まり、「戒厳令を正当化する反乱の脅威が実在したのか否か」が議論の焦点となっている。周知の通り、国会は政権与党に支配されており、議論の内容とは無関係に戒厳令布告は国会に支持されることだろう。

 ここで注視しなければならないのは、歴史的な合同議会初日にゴンザレス国防長官代行やイブラド国軍参謀総長を出席させなかったアロヨ政権の自信と大胆さだ。これは、アンパトゥアン一族対策という戒厳令の表面的目的を超える、壮大な作戦計画の一部が完遂されたことを意味しているのではなかろうか。

 結論から言うと、作戦計画の最終目的は次期統一選前の憲法改正とアロヨ大統領一派による権力維持だ。第一段階であるマギンダナオ州の戒厳令布告に続く動きとしては、首都圏や比全土を対象にした戒厳令布告、大統領を頂点とする「暫定革命政権」の樹立と改憲による議院内閣・首相制への移行断行が考えられる。「革命」のきっかけを作り、暫定政権を下支えするのは、大統領が閣僚など要職に配してきた元国軍将官、国家警察高官になることは言うまでもない。

 大量虐殺事件の開いた扉により、途絶えかけた権力維持への野望をつなぎ止め、これまで実現し得なかった合同議会招集に成功した大統領。ゴンザレス国防長官代行らの描いた計画に沿って、次期統一選前の改憲という最終目標に狙いを定めているようだ。

 大統領や側近は権力維持のための改憲計画を否定するかもしれない。しかし、国民の懐疑心は今後も消えることなく、計画の詳細は9年間に及んだアロヨ政権後に明らかになるだろう。(11日・トリビューン)

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