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11月30日のまにら新聞から

無責任体質

[ 715字|2009.11.30|社会 (society)|新聞論調 ]

虐殺で暴かれた実態

 政府機関がだらしないと、権力監視機能は自ずと報道機関に委ねられる。しかし政府機関と違い報道陣は無防備状態だ。マグゥダダトゥ副町長が州知事選立候補に関してアンパトゥアン一族から脅迫を受けていたのは明白。警護を頼まれた国軍や警察がそれを断ったため、女性や報道陣で車列を組んだのは同一族による襲撃を避けるためであった。それも無意味だった。

 これは平和と秩序を守るという義務を政府機関が放棄し、民間にその負担を強いる紛れもない例である。マギンダナオ州の虐殺事件をミンダナオ地方政治に特有のものと考えてはいけない。世界は報道関係者の殺害で報道の自由が脅かされていることを注視している。

 「報道の自由と責任のための比センター」の記録によると、マルコス政権が崩壊した1986年2月以降、比では実に63人(2007年4月時点)もの報道関係者が取材中に殺害された。注目すべきは、うち43人がラジオ局関係者、そして60人が首都圏外で殺された。こうした殺害は現アロヨ政権下でピークを迎える。起訴により犯人の有罪判決が決定したのはわずか4件のみ。

 今回の大虐殺の犠牲となった報道関係者の大半も、地元紙やマギンダナオ州のラジオ局に属していた。地方報道陣には殺害の矛先が向けられる。なぜなら、地方こそ、殺人などは見つからずに文字通りうまくやれると信じている一部の権力者や古くからの有力一族、新しい軍事的指導者が力の乏しい中央機関を支配しているからだ。

 アロヨ政権のモットーは「強固な共和国」。長年甘やかしていた自身の軍事指導者仲間に、一体どれだけ真に「強固」な姿勢を取れるか、見ものである。(27日・インクワイアラー、ラウル・パガラガン氏)

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