選挙に不正の恐れ
自動集計装置の問題点
次期大統領選の集計自動化について考えた。有権者数は4千万人以上。全国80州1631市町の学校などに置かれる投票所の総数は例年32万415カ所。中央選管から発注を受けたスマートマティック社の投票用紙読取機数は8万2200台。中央選管は投票所4〜5カ所に1台の割合で自動集計装置を設置する。
投票用紙はどうやって自動集計装置にかけるのか。有権者が自動集計装置のある投票所まで出向くのか、連れて行かれるのか。投票用紙だけ各投票所から装置のある場所まで集めるのか。台風が発生したり、有権者を別の場所に誘導するなど不正の可能性もあるだろう。
新制度導入で中央選管は投票時間を午前7時〜午後6時までと、従来より3時間延長した。もし、1千人の有権者が1台の集計自動読取機の前に並んで流れるように投票用紙を機械にかけたとしても、11時間ではとうてい処理できないのではないだろうか。大統領をはじめ多数の公職者を選択、長い投票用紙の裏表に書き込まなければならず、私の計算では80時間はかかる。
自動集計装置を作動させるオペレーターは1台につき2人配置されるが、天候、停電、送電故障(人工的なものも含め)、見物人がタッチボタンに触れるなどして途中で故障することがあるかもしれない。全機械に対応できるエンジニアを置けないことも判明している。
さらに、装置にはハードディスクがなく、情報を蓄えるメモリーカードが2枚入っているだけ。これはパスワードを知っている者はだれでも取り出せる。投票用紙や投票箱の争奪戦がなくなっても、選挙不正の懸念はなくならない。(15日・スター、フェデリコ・パスクワル氏)