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9月21日のまにら新聞から

政治状況の変化

[ 707字|2009.9.21|社会 (society)|新聞論調 ]

アキノ議員の出馬表明

 私が友人たちと議論した時の話だ。私が「アキノ元大統領が死去した今、ノイノイ・アキノが大統領選に立候補する」と言うと、皆が「本気か」と聞いた。自由党の動向に詳しい友人も「マー・ロハス(上院議員)は選挙キャンペーンに大金を投じた。いまさら辞退はない」と自信ありげだったが、私はそうは思わなかった。

 友人たちは「たとえロハスが降りても、ノイノイでは大統領選は無理だ。選挙は歓喜や高揚感、興味本位では戦えない。論理と組織、そして資金だ」と反論した。そこで私は、「今回の選挙は常識を超えた選挙になる。(アキノ元大統領の葬儀が行われた)8月5日が状況を変えた。マルコス大統領を亡命させた1986年の繰り上げ大統領選や、オバマ大統領を生み出した昨年の米大統領選と同じ。犠牲的精神が便宜主義を追いやり、民衆の数が資金力を上回る」と続けた。

 「それでは政治ではなく、信仰や奇跡になってしまう」と友人たちは言ったが、私はそれは「奇跡」ではなく、アキノ上院議員の「大統領になる運命」だと考えた。運命というのは宗教的な意味ではなく、道徳的義務という意味合いだ。義務や歴史、神からの呼び掛けに従わざるをえない自身を発見したときに、その行いに突き進むことである。

 私はアロヨ大統領に対して道徳的アンチテーゼを提示できる対抗馬としてプノ最高裁長官とパンリリオ・パンパンガ州知事を考えていた。しかし、アキノ元大統領の死が今回の選挙の方向性を大きく変えた。「善と悪との闘い」という物語性を、今回の選挙は色濃く映し出したのである。大統領側も今後、政治家の取り込みに躍起となるだろう。(17日・インクワイアラー、コンラド・デ・キハーノ氏)

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