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8月17日のまにら新聞から

新聞論調

[ 715字|2009.8.17|社会 (society)|新聞論調 ]

論調脅迫生む浅はかさ−対比投資の阻害要因

 4500万人の国民が貧困ライン以下の生活を強いられ、1千万人以上が失業もしくは満足に仕事を得られず、900万人が海外で就労する国の現状を、果たして指導者らは気に掛けているのだろうか。海外から投資を呼び込み、絶望のふちに沈む国民に職を与えようとしているのだろうか。

 その答えは「否」だ。マルコス独裁政権以来、この国の指導者らがやってきたのは投資誘致ではなく、投資、実業家に対する脅迫である。

 不可避の影響を考慮することなく、その場限りの利益を求める「浅はかな考え」が、これら脅迫行為を生んでいるわけだが、その典型的事例の一つは薬価引き下げ法だろう。

 比国内の製薬・薬品販売会社はこれまで、価格競争力を維持しながら、多国籍企業と渡り合ってきた。しかし、多国籍企業に薬価引き下げを強制する同法により、国内企業の競争力は減じ、多国籍企業に市場を奪われることとなる。

 確かに国民受けは良いだろう。しかし、大衆受けするという近視眼的理由で販売価格の大幅引き下げを企業に強いるような危ない国は、多国籍企業の新規投資対象にはなり得ない。

 連日のように続く石油元売り大手各社に対する非難も、事実関係をろくに確認せずに声だけを張り上げる「浅はかな脅迫行為」だ。また、税金を経費と認めず料金への転嫁を認めない政府、企業に終身雇用を強いる法案などが企業活動の脅威になっていることは言うまでもない。

 多国籍企業にはさまざまな選択肢があり、誤った考え方が幅を利かす比に投資する必然性はない。予想不可能で不合理な人為的コントロールに悩まされず、公正な競争が保証された国へ行けばよい。(14日・スタンダードトゥデー、ピーター・ワラス氏)

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