労働市場の悪化反映
改善した失業率
雇用はアロヨ政権の経済政策の成果を測る主要指数。明らかに粉飾されたデータにもかかわらず、国内の雇用状況の悪化を反映した。表面的には職を持つ国民は増えたが、現状では、一年の間に仕事の質が悪化したことが分かる。
政府統計の定義によると、失業者は以下の五つの理由で就職活動をしていない国民を指す。①疲労しており就職先がないと信じている②採用試験の結果待ち③一時的な病気④悪天候⑤復職待ち。これらの理由を持たない非就労者は失業者と見なされない。
逆に就労者は、家族のために働き、報酬を受けない比人も含む。兄弟の学校への送迎も「仕事」と考えられる。四月の統計では、このような家族のために働く比人が前年同月比で三十九万二千人増加。さらに、自営業者も八十二万二千人、フリーランスと呼ばれる自由業者も六十四万四千人増えた。一方、経営者は十七万八千人減少している。
比大経済学部のジョクノ教授は、「就労者の増加は生活の悪化」とみている。経済の悪化により就職活動をする国民が増え、若年層が学校を中退して働くことを余儀なくされている。質の良い職は消え、四月で五万人の工場労働者が失業、十七万八千人の経営者が事業を閉鎖。正社員が短期労働者に降格している現状があり、政府は緊急雇用政策などで十五万人の短期労働者を創出した。彼らは六カ月以内に職を失い、短期労働を繰り返す。
政府の定義によれば、必ずしも失業率低下の結果、経済が改善したとは言えない。経済の悪化は、国民に労働を強いることになるのだ。にもかかわらず、来月の施政方針演説に備えたアロヨ大統領には、功績と映るのだろう。(19日・トリビューン)