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6月1日のまにら新聞から

軽量級政党の誕生

[ 698字|2009.6.1|社会 (society)|新聞論調 ]

政権与党の合併

 与党連合の中核を形成するラカス、カンピ両党が大統領府のてこ入れで正式に合併した。メディアは合併の影響よりも、大物政治家が合併式を欠席したことを重要視した。

 アロヨ大統領が議長を務めた合併式には、カンピ総裁で大統領の弾劾阻止に尽力したビリアフエルテ下院議員が欠席した。党内の指導者選定を優先すべきとの考えがないがしろにされたことが理由とされる。

 ラカス側からは、ラカス創設者で名誉党首のラモス元大統領、デベネシア前下院議長、首都圏ケソン市のベルモンテ市長ら党幹部が欠席した。

 合併で新党所属の現職下院議員は百四十五人、知事五十六人、市長八十五人、町長千百十二人。巨大政党の新党員が気に掛けたのは、次期大統領選に立候補を表明しているフェルナンド首都圏開発局長の欠席だ。

 同局長は政権与党からの擁立を求めて地方巡回を続けている。しかし、党執行部の対応は冷たく、局長一人が不公平な候補者選定作業に反発している。これに対し、党執行部は長年党運営に携わってきた人物を排除し、独立候補を自称するデカストロ副大統領とテオドロ国防長官の擁立を検討中だ。

 「独立候補」の擁立は屈辱的であり、警戒を要する事態でもある。党員間のビジョンや価値観の共有がなく、大統領の一存が重視されているわけだ。

 一方で、全国区においては、大統領の「公認候補」が致命的に不利なのは、前回上院選でも証明済み。現政権の支持率低迷で、次期選挙の最有力候補の共闘は期待できない。新党幹部は合併で完全無敵の選挙組織の完成を祝福しているようだが、前回大統領選の不正疑惑が再発することも想定される。(30日・インクワイアラー)

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