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3月30日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 646字|2009.3.30|社会 (society)|ハロハロ ]

 マニラ滞在の楽しみの一つは、世界で話題を集める映画が日本公開よりも一、二カ月も早く鑑賞できること。しかもマカティ市内の高級感あふれる映画館で、入場料の最高額が百七十五ペソ(たとえば、ニコール・キッドマン主演の「オーストラリア」)と、日本での千八百円に比べて五分の一の安さ。その中、残念なのは作品の大半が米国映画で占められ、隣接する東南アジア諸国の作品がほとんど上映されていない点。

 今月中旬に東京で開かれた「国際交流基金アジア映画ベストセレクション」がこの欲求不満を解消してくれた。運良く帰国中だったため、厳しい寒風に震えながら港区赤坂の会場に足を運んだ。目当てはインドネシア映画「虹の兵士たち」。小島に住む小学生十人が新任の女性教師との交流を軸に、「友情の大切さ」と「学ぶことの楽しさ」を体得していくけなげな姿を活写した秀作。インドネシア版「二十四の瞳」といった作品で、今年のベルリン国際映画祭でも高い評価を受けたという。

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 会場の定員は二百人とされていたが、それを上回る

インドネシアファンが詰めかけ、臨時席を設ける盛況ぶり。鑑賞後のさわやかな感動をさらに高め、心を温めてくれたのが、会場でのインドネシア人の友人やインドネシア学者の旧友夫妻との予期せぬ再会。互いの近況を報告し合った後、外へ出ると寒風は一段と強まっていた。しかし、会場でもらった「心の温(ぬく)もり」のおかげで、二十度を超すマニラとの気温差も気にならず、心地よい感動に酔いながら家路に就いた。(道)

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