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3月23日のまにら新聞から

被害者に同情無用

[ 683字|2009.3.23|社会 (society)|新聞論調 ]

レイプ証言撤回問題

 国民よ、米兵レイプ事件の被害者の比人女性のために涙を流してはいけない。自身の魂を売るかのごとく、示談金十万ペソで米海兵隊員を放免するような人物に同情の余地はない。織り込み済みの取引なのか、被害者は簡単に米国の移民ビザも取得した。しかし、被害者本人がレイプの事実関係にも疑念を抱く中で、どうして米兵から示談金十万ペソを受け取ったのか。疑念が正しければ、被疑者は米兵被告に示談金を払うべきではないか。

 左派論陣が指摘するように、アロヨ現政権が被害者に圧力をかけたのかもしれない。本人が米国滞在や現金に惑わされない信念を持っていれば、圧力に屈することはないはずだ。

 無職の独身女性が米国の移民ビザを取得するのは至難の業だ。移民ビザ取得を待つ比人が山ほどいる中、被害者は簡単に査証を取得し、米兵被告を放免する宣誓供述書を控訴裁に提出して出国した。

 左派系は被害者に裏切られたにもかかわらず、批判の矛先を広げた。だが、非難されるべきは被害者なのだ。「比人女性は安い」「比人は外国人に容易に買収される」とのイメージを植え付けた。

 国民は被害者に同情し、共闘した。メディアも被害者が真の被害者と信じ込み、被害者の主張に沿った報道に終始した。多くの比人女性が被害者に共感し、米兵被告の有罪を待ち望んだ。比人女性が米兵からレイプや暴力を振るわれる事件は多々あったが、米軍が容疑者の訴追を阻止してきた。今回は、米兵訴追が現実となる初めての機会だった。

 この被害者のために涙を流す価値はない。彼女が比人女性に与えたダメージはあまりにも大きい。(19日・トリビューン)

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