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3月23日のまにら新聞から

不遇な内部告発者

[ 689字|2009.3.23|社会 (society)|新聞論調 ]

汚職黙認の常態化

 民間調査機関パルスアジアの汚職調査で、公共事業道路省(DPWH)が最も腐敗した政府機関とされた。DPWHと国税局、税関局はこの種の調査で常に上位を占める。しかし、今回の調査結果の目玉は、「汚職に関与したことがある」と回答した人数の多さ。さらに驚くのは、実に八一%が「汚職を黙認する」と回答したことだ。

 政府ブロードバンド網構築事業の不正受発注疑惑で、政府高官の汚職を暴露した比森林公社のロドルフォ・ロサダ前総裁が現在も拘束状態にある現状で、「黙認は得策」との見方が世間に広まっているようだ。

 ロサダ一家は現在もカトリック系の学校内で、宗教関係者に守られて生活している。現政権高官の反対を振り切って上院聴聞会に出席し、中国の中興通信社(ZTE)と比運輸通信省の事業契約における不正を暴露した。ロサダ氏は現在も職に就けない一方で、一連の疑惑で名前が浮上した政府高官はそろって昇進した。

 だが、最大の不幸は、重要証言が汚職の真相解明につながらないということ。不正受発注疑惑では、比政府はZTE社との契約を破棄し、一連の疑惑の沈静化を図った。そして、水面下でまた、別のブロードバンド事業を検討中だ。疑惑の中核にいた当時のアバロス中央選管委員長は退任数カ月前に辞任に追い込まれたが、現在は退職後の生活を満喫している。

 内部告発者がたどった道を振り返れば、国民の大半が内部告発を利益を生まない行為と考えるのも理解できる。

 この国では、誰が利益を受け、誰が不利益を受けるているのだろうか。次回調査では、「汚職を黙認する」との回答はさらに高くなるだろう。(20日・スター)

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