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3月16日のまにら新聞から

新聞論調

[ 714字|2009.3.16|社会 (society)|新聞論調 ]

汚職体質の広がりー投資会社の破たん

 政府当局が規制に失敗したらどうなるかは、米国で起きた金融危機を見れば分かる。昨年米国で発生した金融危機で証券や預金など人々の資産が失われ、大恐慌以来の経済不況に見舞われてしまい、その影響が世界に飛び火している。

 フィリピンでも政府当局による規制が有名無実となっていたため、保険商品や預金に望みを託してきた人が財産を失う事態になっている。例のレガシーグループ傘下の貯蓄銀行や保険会社をめぐるスキャンダルが原因で、多くの市民が財産を失った。いまや、管轄政府機関である証券取引委員会がなぜこれまでこのグループの経営を許してきたのかという問題に焦点が当てられている。

 先日、レガシーグループ関係者が上院の聴聞会で、同グループ当主のデロスアンヘレス氏が同委員会のマルティネス委員に対し土地付きの家を贈ったことを暴露した。また、デロスアンヘレス氏は同グループの資金を利用して、マルティネス氏の息子の会社から百四十万ペソで高級外車を購入したり、同グループの顧問を務めている下院議員への顧問料支払いに充てたりしたという。デロスアンヘレス氏は問題の邸宅を自分で購入しただけだと釈明している。名指しされた下院議員は顧問であることを否定したが、寄付金を受け取ったことは認めた。

 下院議会では今回名指しされた議員に対する問責決議などを審議する姿勢は見せていない。証券取引委員会も疑惑渦中にある委員に対する調査をまだ実施していない。一方、マルティネス氏の息子の会社から購入された高級外車が最近、フィリピン預金保険機構の駐車場で発見されている。スキャンダルの被害者たちは今やっと誰が責任者に協力してきたのかを知ったのである。(11日・スター)

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