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3月16日のまにら新聞から

新聞論調

[ 738字|2009.3.16|社会 (society)|新聞論調 ]

数量より質の問題ー下院議員数拡大法案

 下院の議席数が増えれば長年無視され中央政界に声を届けられなかった地方や町の住民が助かり国民としての自覚が取り戻せるという。エルミタ官房長官も自身の選挙区であるバタンガス州を例に挙げ、現行の四議席を六議席に増やすべきだと訴えている。人口が二十五万人以上に達した地域は下院議員を一人送り込むべきだというのだ。

 しかし、カトリック司教協議会はこの動きに警告している。ラグダメオ同協議会議長は下院議員数がすでに過剰気味で、議席数の拡大は税金を支払う国民の負担になることから慎重な議論が必要だとしている。公聴会を実施して多くの国民の意見をくむべきだとも主張している。

 建設会社や広告会社、旅行会社の業界団体などがこの議席数拡大法案の成立に向けてロビー活動を行っている。下院議員が増えればインフラ事業も増え、海外視察旅行などの発注も増えるからだ。レストランなどの飲食業界やホテル業界も議員数の増加に比例して、豪勢パーティーや会合が増えて売り上げ増加につながるとみている。

 反対派は、国会議員が増加すればそれだけ給与や手当、スタッフ費用やポークバレルと呼ばれる優先開発補助金などの出費がかさみ、国家財政を圧迫すると主張している。また、建物を増築し警察官のボディーガードも大量に雇わなければならない。

 しかし数量の問題だけでなく質の問題も重要だ。怠慢で欠席ばかりする下院議員の姿は、議会の人数が増えるだけにこれまでより目立たなくなってしまう。他人の物まね法案を提出するやからも増えるだろう。アロヨ大統領は議員数拡大に備え担当顧問を設置するとみられている。もし上院議員が州ごとに選出されるようにでもなったら、さすがの大統領も議員掌握に手こずるのは明らかだ。(15日・タイムズ)

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