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12月22日のまにら新聞から

立ち上がる時

[ 701字|2008.12.22|社会 (society)|新聞論調 ]

勇敢なイラク人記者

 イラクの首都バグダッドで行われた記者会見中、イラク人の男性記者が靴を米ブッシュ大統領に投げ付け侮辱した。同記者は警備員に取り押さえられ、拘置された。

 しかし、彼の行為はイラク国民に英雄的に映った。関係者たちは、彼の行為に対する謝罪を拒否、早期釈放を求めて抗議活動を行った。

 同記者の訴えは複数の事を提示してくれた。一つは記者も一人の人間であるということ。

 彼は、誤りに対して何かをする必要性を感じた一人の人間であり、また、正義を声に出して訴える必要性を感じた一人の人間なのである。 

 記者は客観的かつ中立でなければならない。しかし、これは感情を持たないという意味でも、不正や抑圧に対して抗議する心が欠けているということでもない。

 二つ目は、なぜ彼と同じような侮辱行為をわれわれはできないのか。

 数年前、カビテ州にある大学の卒業式で演説するアロヨ大統領に向かって、女学生が「改憲反対」と叫んだのを記憶している。また、最近開かれた改憲反対集会ではロハス上院議員が「大統領が進める改憲への動きを殺そう」と発言、大統領府からは「品性を欠いている」などと非難された。しかし女学生、同議員の両者とも謝罪しなかった。

 イラク人記者は、国民の利益につながる「善行」をしたと記憶にとどめられることを望み、近く去り行く人物に強烈なメッセージを残した。われわれには、改憲を望み、マラカニアン宮殿から立ち去ることを拒否する人物がいる。今こそ靴を脱ぎ、諸悪の根源に向かって投げ付ける時ではないか。そしてこう叫ぼう。「これが追放へのキスだ、犬め」。(17日・インクワイアラー、コンラド・デ・キロス氏)

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