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12月1日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 638字|2008.12.1|社会 (society)|ハロハロ ]

 一時帰国した時の楽しみのひとつが、自宅からそう遠くない地区に暮らすインドネシア人夫妻と会って、互いの近況を話し合うこと。これに加え、同夫妻が日本での「イブ」(インドネシア語でお母さんの意味)と呼んで慕う、在日歴二十年を超える婦人の手作りインドネシア料理をご馳走になること。残念ながら、今回の帰国では「イブ」の絶品のナシ・ゴレン(焼き飯)に舌鼓を打つことはできなかった。

 料理は次回になったものの、最も親しくしている同夫妻からその無念さを上回る朗報を聞かせてもらった。夫はインドネシアの名門、バンドン工科大学を卒業し、現在は東大大学院博士課程で勉強中。慶大卒の妻は英国系IT企業に勤めている。その妻の弟が来日するというのだ。ジャカルタに住み、やはりIT企業に勤める弟が最近、日系企業提供の奨学生募集に応募、見事に難関を突破し、来春、東京工業大に留学することが決まったという。

 来日決定を喜ぶ姉は今、弟のために下宿探しの真っ最中。「日本に来るのは初めてなので、何かと心配。近くに住めると安心ですよね」と、流暢な日本語で早くも弟を思いやる「姉貴」ぶりを発揮している。夫のほうも義弟が出身大学の後輩とあって下宿探しに協力を惜しまない。彼らと会って数日後、妻から「本当に幸運でした。私たちが住んでいるアパートの隣室が空き、弟をそこに済ませることにしました」との電子メールが届いた。日本語で書かれたメールには「姉の役目を果たせた」という安ど感がにじみ出ていた。(道)

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