ハロハロ
「それだけではないの。若い女性は仕事中も、しょっちゅう口を動かしているの」。拙宅でのコーヒータイム。ご近所の親しい夫人が口を開いた。フィリピンの女性に太り気味の人が多いのはご飯をよく食べるのからではないのかと尋ねたときだった。いまも会社で社員教育を担当する夫人は、「この間、食事から戻ってきた女性社員がお菓子を取り出そうと引き出しを開けると、中からゴキブリが出てきて大騒ぎになったのよ」と笑った。
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「フィリピンの人は食べることにひたすら熱中する」と話す在比経験の長い英国人ジャーナリストは、比人は朝食、スナック、昼食、メリエンダ、二度目のメリエンダ、夕食、就寝時のスナック、それに、「冷蔵庫から取り出すクッキー。ただし誰も見ていないので本人は数に入れない」の一日八度、「公認」の食事をとるという。「それとは別に、いつも口にするスナックがある」と付け加える。
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日本にもメリエンダに相当する「おやつ」という言葉がある。間食として、子供たちだけでなく、大人も菓子、果物やおにぎりなどを食べるが、夕食がとれなくなるほど腹一杯には食べない。夕食までにメリエンダを二度もとるフィリピン人とは、おなかの構造が少々異なるようだ。おやつはもともと食事が朝と夕方の二度だった時代に農民らが昼の休憩時の「八つ時」(現在の午後二時前後)にとっていた間食が語源という。(濱)