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8月18日のまにら新聞から

公正の保証なし

[ 730字|2008.8.18|社会 (society)|新聞論調 ]

ARMM選が残した課題

 中央選管は、イスラム教徒自治区(ARMM)選挙の成功を自賛しているが、実際はいろいろな意味で失敗している。投票締め切りから開票・集計作業が三日近くも続いている現状では、「迅速」とは言えない。

 さらに投票箱盗難事件、選挙監視員数の不足、イスラム勢力との軍事衝突など問題は山積みだった。また、投票装置の故障、資格のない投票者が現れるなどの事態を考えれば、全国規模の二〇一〇年五月の統一選で起きることは想像できる。

 投票率についても中央選管は当初、五〇%と発表。理由説明できないが、後に八四%に変更された。仮に五〇%とすると、残りの投票用紙は廃棄されることになる。投票率が一〇〇%にならないと分かりながら、なぜ中央選管は余分に投票用紙を印刷したのか。

 投票用紙の超過分は不正への可能性を増大させる。電子投票システムは導入されたが、集計作業に遅れは出る。一日の遅れでも不正行為の助長につながる。三日もあれば、当選のために金をばらまき、不正を行うのは簡単だ。

 次期統一選で電子システムが導入された場合、何が起きるだろうか。一つには、コンピューターを利用した完ぺきな不正。二つめは停電。その間に投票箱のすり替えも可能だ。

 架空の投票者、二重投票防止に向け投票者リストが厳正に整理されない限り、いくらコンピューターを導入しても不正は消滅しない。選挙の自動化が公正をもたらすとは限らない。選挙不正のために機械が利用されると指摘する欧米の専門家もいるぐらいだ。

 中央選管は、ARMM選挙の成功を自賛せず、今回起きた間違いや機械の故障などを徹底検証することだ。

 成功の主張と選挙不正は永久になくならない。(14日・トリビューン、ニネス・オリバレス氏)

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