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7月28日のまにら新聞から

拳銃持たぬ警官

[ 682字|2008.7.28|社会 (society)|新聞論調 ]

予算不足の国家警察

 比共産党の軍事部門、新人民軍(NPA)は農村地帯の警察署を継続して襲撃し、戦果を挙げている。その主因は警官数と拳銃の不足だ。ラソン国家警察長官は全警官のうち二万人が拳銃を支給されていないことを認めている。拳銃を持てない警官は自費での拳銃購入を余儀なくされている。

 国家警察は来年、十億ペソの予算を投じ、装備拡充と全国一千七百四の警察署の施設改善に取り組む予定。この中にはパトカー、拳銃、鑑識用具、救急道具、無線装置などの購入が含まれる。当面は、拳銃使用の必要のない部署で勤務する警官から拳銃を召し上げ、それを紛争地区などで勤務する警官に回し、不足状態をカバーするという。

 また、教育現場と同様に警察ではすべてが不足している状況が長く続き、コンピューターの支給、設置にも長い年月を要した。コンピューターの支給前、警官たちは報告書作成にタイプライターを使用したが、その際にも用紙、リボンの不足が起きていた。

 装備品と施設の例を挙げたが、警官は教員と同様、給与が低水準で、初任給は最低賃金をわずかに上回る程度。警官の多くが貧困ライン以下で生活を送っているとの調査結果もある。

 こんな貧弱な待遇では警官の職務の質に影響が出る。このため警官の中からはゆすりやさらに大きな犯罪に手を染める者も出てくる。また、警察幹部の中には違法賭博の運営者や密輸業者、麻薬犯罪組織から「献金」と称するわいろを受け取る者も後を絶たない。もし、この国が秩序ある社会づくりを目指したいのであれば、まずは国家警察という組織に惜しみなく予算を投じることが求められる。(23日・スター)

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