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2月18日のまにら新聞から

新聞論調

[ 701字|2008.2.18|社会 (society)|新聞論調 ]

大統領辞任シナリオ不正受注疑惑

 ブロードバンド網構築事業の不正受注疑惑の再燃とロサダ氏の証言により、アロヨ大統領とその周辺は、大統領辞任へ向けたシナリオ立案に取り組み始めたようだ。大統領府関係者によると、シナリオは閣僚の過半数に「大統領は一時的に職務執行不可能な状態になった」と宣言させ、デカストロ副大統領という「操り人形」を大統領に仕立てて危機を乗り越えるという内容。「政権禅譲」に当たっては、現職閣僚の過半数留任が条件になっているらしい。

 デカストロ副大統領が憲法規定に沿って昇格し、次期大統領選で勝った場合、「デカストロ大統領」の任期は計八年になる。しかし、大統領が代わっても、国はアロヨ政権下で直面した状況に再び直面するだろう。すなわち、莫大な公金の選挙運動などへの流用が繰り返されるわけだ。

 アロヨ大統領とデカストロ副大統領は表裏一体。顔が変わるだけで権力の中枢に居座る人間は変わらない。「職務執行可能な状態」になり次第、アロヨ大統領が復職する選択肢があることにも留意すべきだろう。

 一方、大統領に辞任要求を突き付け、副大統領の昇格を支持するマカティ・ビジネスクラブは、二〇〇一年と同じことを繰り返そうとしている。七年前、同クラブはエストラダ前大統領を辞任させ、アロヨ副大統領を昇格させたがために、政権の正統性という憲法問題を招いてしまった。カトリック司教らも五十歩百歩だ。「政府と社会に巣くう邪悪を払え」と呼び掛けるのは結構だが、「平和的かつ憲法に沿った手段で」との条件を付け加える。民衆蜂起や大統領辞任要求なしで、どのようにして「邪悪を払え」というのだろうか。(14日・トリビューン、ニネス・オリバレス氏)

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