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1月28日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 543字|2008.1.28|社会 (society)|ハロハロ ]

 知り合いの女性がバタンガス州マビニ町の教会で結婚式を挙げた。日本で仲人などしたことがないが、この国では三度目のニノン(代父)。今回は中流階級の挙式で、これで上、中、下流の華燭の典にすべて付き合った。花嫁も付き添いの女性も黄とグリーンの衣装が映えて美しい。祭壇の聖フランシスコのイコンが白髪を垂らした老人なのでおかしかった。聖人は四十歳台で没したはずだが、委細構わずだ。

 披露宴は屋根付きのバスケットボール場。宴会の最後に中年男が指名された。何をするのかと思ったら祝い金を出した人の名と金額をラウドスピーカーで読み上げたので驚いた。隣で花嫁がお札を勘定している。ニノンとしてみると、ご祝儀が少なかったような気がする。何しろ、この国ではハポネス(日本人)とマヤマン(金持ち)は同義語みたいなものなのだ。

 持てる者が持たざる者に恵みを与えるのが当たり前の国で、神や守護聖人の加護と祝福を受けたらそれを広く衆に及ぼすのである。宴会の参加者約百人にとって最高の楽しみに違いない。しかし、当方は後で「クリポット」(けち)と言われたのではないかと気になる。ある人に「田舎に帰るのに何も持っていけない」と、借金を泣きつかれたばかり。断ったのでなおさら、いけない。 (水)

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