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1月14日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 568字|2008.1.14|社会 (society)|ハロハロ ]

 往く年を惜しみ、来る年を祝う花火の大輪。今回も大みそ日から元日にかけ、首都圏の夜空を豪快に彩る花火を三百六十度のパノラマで楽しむことができた。「特等席」は首都圏マカティ市に建つ高層アパートの屋上。爆竹と爆音玩具「ボガ」のごう音が鳴り響く中、時計とにらめっこしながらころ合いを計る。針が二〇〇七年の残り二十分を指した瞬間、アパートの部屋を飛び出し、屋上を目指した。

 最上階の三十八階でエレベーターを降り、大みそ日に限り開放される階段を上って屋上へ。柵もなく、涼しい夜風が吹く平らな屋根に出る。地上からの高さが優に百メートルを超える屋上には、既に十五人ほどのアパート住人がデジカメや携帯電話を手に、「その時」の到来を待つ。

 新年にあと五分に迫った時、首都圏の東西南北から火柱が一斉に夜空へ上り、数え切れないほどの光の大輪が深夜のカンバスに描かれる。

 圧巻は屋上から直線で百メートルも離れていない所から打ち上げられた花火。赤や緑、そして金色に輝く大輪が大音響とともに目の前で開き、火の玉が雨のように降り注ぐ。元日の大輪の競演といえば、オペラハウスを背景とするシドニーの花火大会が有名だが、特等席から眺める「パノラマ花火」も迫力では負けない。硝煙でかすむ首都圏の夜空。その先に、新年の希望の大輪は咲くのだろうか。(道)

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