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8月6日のまにら新聞から

人権委設置で成果

[ 700字|2007.8.6|社会 (society)|新聞論調 ]

ASEAN外相会議

 東南アジア諸国連合(ASEAN)は創設四十周年を迎えた節目の外相会議をマニラ首都圏で開き、ASEANの行動規範となる「憲章」案を十一月、シンガポールで開催される首脳会議に提出できる所まで漕ぎつけた。、これまでの「仲良しクラブ」の域を脱し、憲章を基盤とする本格的な機構に脱皮する道筋を整えた。一連の会議を通じASEANは域内外諸国・機構との一層の関係強化を図ることができた。

 外相会議などでいくつかの成果が得られたが、最も重要なのが「人権委員会」設置を憲章に盛り込むことで合意したこと。人権問題では欧米諸国がASEAN加盟諸国の現状に深い憂慮を示し続けている。これに対し欧米諸国、中でも米国は今回、人権委設置盛り込みを高く評価、欧州連合(EU)やカナダも同委設置に強い関心と期待を表明した。

 ASEANのもう一つの特徴は、日本や中国など東アジア域内だけでなく、米国、ロシア、インド、オーストラリアといった域外国、さらにバングラデシュ、東ティモール、パプアニューギニアなども加えて、アジア太平洋地域の安全保障問題で意見交換する場、ASEAN地域フォーラム(ARF)を設けていること。

 今回のARFは、アフガニスタンで起きた韓国人ボランティア拉致・殺害事件の成り行きが懸念される中で開かれ、タリバンが拉致している同国人二十一人を即時開放するよう求めた議長声明を出した。ARFではこのほか、地球温暖化、核拡散防止、国際テロなど国際社会が直面する諸問題でも意見交換し、参加諸国の協力関係強化を確認した。画竜点睛(がりょうてんせい)を欠いたのがライス米国務長官の再度の欠席だった。(3日・タイムズ)

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