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5月28日のまにら新聞から

またもミンダナオ

[ 676字|2007.5.28|社会 (society)|新聞論調 ]

統一選不正疑惑

 「ラナオでは死者でさえマルコスに投票する」。マルコス独裁政権下で、ミンダナオ地方ラナオにおける選挙不正を皮肉ったこんな冗談が流れた。二〇〇四年の大統領選挙では、同じ地方で国軍幹部とビルヒリオ・ガルシリアノ中央選管委員(当時)が開集票の不正工作を行ったとする疑惑が浮上した。

 今回の統一選では、上院選で野党連合を追走する与党連合が同地方マギンダナオ州で改選数一二を独占したという。不正疑惑が高まる中、民間選挙監視団体「自由選挙のための全国市民運動」(ナムフレル)は同州の開票報告書(ER)を速報集計から一時除外すると決めた。さらに、中央選管も特別調査班を設置して、疑惑解明に乗り出した。

 過去数十年間、比全土で選挙不正に関する報告は絶えなかった。その中でも、最も顕著なのはミンダナオ地方の一部。有力政治家一族の影響が強く、選挙期間中に暴力事件が多発し、選挙実施に国軍の支援を必要とする地域で不正頻度が高いのは決して偶然ではない。

 民間の選挙監視員の活動が制限される地域において、票工作は難しくはないのだ。

 待ち望まれる選挙改革では、ミンダナオ地方の投票プロセスは優先的に取り組まれる必要がある。改革の手始めには、マギンダナオ州での不正疑惑に終止符を打つことから着手することだろう。

 ガルシリアノ前委員に絡んだ選挙不正疑惑で国民からの信用を失墜した中央選管にとって、今回の選挙の公正性を保証することは、国民の信用を回復する機会となるだろう。マギンダナオ州およびミンダナオ地方全体の投票システムの洗浄が待ち望まれる。(22日・タイムズ)

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