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4月16日のまにら新聞から

マスメディアの責務

[ 676字|2007.4.16|社会 (society)|新聞論調 ]

有権者の質向上

 あるアナリストの分析によると、フィリピンの有権者の質が高まっているらしい。質を向上させている要因は、マスメディアやインターネットを通じて候補者のメッセージが有権者に効率よく伝わり、有権者の反応が即座に候補者の手元に届く双方向性にあるという。

 過去の上院選では、元俳優らタレント候補者が上位を占めてきた。五月投開票の上院選でも、セサール・モンタノ、リチャード・ゴメス両氏というタレント候補が立候補中だが、最新の支持率調査で両氏は十八︱十九位と当選圏外にいる。候補者の容姿や人気だけに左右されない調査結果は「有権者の質向上」を示す兆候の一つと言えるだろう。

 もう一つの兆候は、巨額を投じたテレビコマーシャルや新聞広告が必ずしも当選に結び付いていないことだろう。その好例は与党連合から立候補中のピチャイ下院議員。同議員は立候補者の中でコマーシャルに最高額をつぎ込んでいるが、上位十二人の当選圏内に入れない状態が続いている。また、過去の選挙で集票効果のあった候補者の「テーマ曲」も影響力を失いつつあるようだ。

 世論調査の結果を見る限り、有権者の視線は、候補者の知名度や支援者、コマーシャル、スローガンではなく、適性や実績、政治的見解に向けられつつある。マスメディアはこの好機を逃すことなく、公約など候補者に関する情報を読者・視聴者に提供しなければならない。有権者の大部分が候補者の情報を持ち合わせていない現状に驚くのではなく、適切な情報を提供するというマスメディアの責務を果たして「有権者の成熟」を手助けしなければならない。(10日・インクワイアラー)

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