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3月5日のまにら新聞から

忌むべき精神構造

[ 676字|2007.3.5|社会 (society)|新聞論調 ]

看護師試験問題漏えい

 驚くことなかれ。試験問題の漏えいが発覚した昨年の看護師国家試験に関する世論調査で、試験結果を容認する回答が五三%を占め、「容認できない」はわずか二五%にとどまった。識者や元看護師らが合格者の適正に疑いの目を向け再試験の必要性を訴える中、われわれはなぜ、疑惑に満ちた試験の合格者を容認してしまうのだろうか。

 その答えは、がたがたの公共交通機関や穴ぼこだらけの道路、間違いだらけの教科書、水無しトイレを「そのうち良くなるだろう」と受け入れてしまう国民の精神構造にある。電話がつながり、蛇口から水が出て、電気が供給されることを「運がいい」あるいは「無いよりはまし」と感じるメンタリティーだ。

 この精神構造は、「教育こそ貧困から抜け出すパスポート」と信じながら能力の欠如した教諭の存在を容認させ、駐車場のない高層コンドミニアムを次々に建設させ、犯罪を助長すると知りながら盗品の携帯電話を買わせるのだ。

 われわれのリーダーたる政治家も五十歩百歩。幹線道路の路上で美人コンテストや宗教関連のパレードを開いては数キロにも及ぶ大渋滞を引き起こし、住民らも「リーダーに従え」とばかりに社会的迷惑を何とも思わない。

 この忌むべき精神構造は五月投開票の統一選にも影を落としている。上院選で、われわれ有権者に示された選択肢は、「現職大統領に付き従う政治家」と「前大統領に忠誠を誓う政治家」の二者択一。そして、有権者も「男前」や「有名人」に一票を投じようとする。このような状況で国が良くなれば、それは奇跡以外の何物でもない。(2月28日・スター、ハリウス・ボンドク氏)

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