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2月26日のまにら新聞から

「テロ」の定義は?

[ 688字|2007.2.26|社会 (society)|新聞論調 ]

対策法案の危険な側面

 下院は、アロヨ大統領が招集した特別国会に定足数以上の議員を集め、小さな奇跡を起こした。政府は二〇〇二年以来、正式名称を「国民安全保障法2007」と呼ぶテロ対策法案の国会通過と成立を懇願していた。特別国会は同対策法案とともに、利権の巣である娯楽ゲーム公社の事業拡大法案も通過させた。大統領にとりまさに一石二鳥だ。

 一般的にテロ対策法案とは、米国の世界貿易センタービルやインドネシア・バリ島などで起きた大量殺人行為を取り締まる法律と解釈されるが、今回の同法案は政府に非合法な要求を突き付けるため国民に恐怖心を抱かせ、混乱を起こさせるような行為者に対する処罰に重点を置いている。問題は同法案が恐怖や強要の定義を政府の判断に委ねている点だ。

 同法案はその恐怖の要因とは何かを明確には規定していない。国民が政府やその高官に恐怖心を持った場合は一体どうなるのか。少数だが、政府がテロにも相当する政策などを正当化するため、同法案を利用する危険性を訴える声もある。

 テロ対策法案の取り締まり対象となる犯罪は、刑法で定義される銃器の違法所持、殺人、誘拐、放火、反乱などの十二項目。同法案ではこれらの犯罪を犯した者は、恩赦なしの最高で禁固刑四十年が科される。銀行強盗はれっきとした犯罪だが、それなら巻き込まれた被害者が悲鳴を上げたら、それもテロなのか。

 テロ対策法案は人々の恐怖心ではなく、証拠に基づいた暴力行為、暴力を伴った陰謀などをテロと定義すべきだ。恐怖などの心の動きを法律で無理やり定義するのは、この国が持つ民主主義の範囲をかえって狭める恐れがある。(21日・インクワイアラー)

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