ハロハロ
一般公募したアマチュア・カメラマン百人がJR東京駅の一日を撮影した写真展「100人の東京駅」が東京・江東区のギャラリーで開かれた。デジカメ全盛時代に全員がレンズ付きのフィルムカメラを渡され、七月二十九日に思い思いの視点でシャッターを切った。展示された写真は約二千七百枚。赤レンガの駅舎から新幹線ホーム、売店、待合室など撮影アングルはさまざまだ。
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写真展を企画した担当者はいくつかの視点にこだわったという。一つはフィルムカメラの採用。取り消しのできない「時系列」の記録と、一過性による「真剣勝負」を参加者に求めた。会場では一人ひとりの顔写真と撮影した二十七枚の写真がすべて時系列で展示された。「建築」と「都市環境」をみんなで見直そうと、今後もフィルムによる「風景を考える写真展」を企画するという。
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東京駅が開業したのは一九一四年(大正三年)十二月、今年で九十二歳になる。戦災で焼け落ちるまでレンガの駅舎は、南北屋上に八角形の大きなドームが施された壮麗な建物だった。国鉄時代に何度か高層ビルへの建て替え構想が浮上したが、市民団体などの保存運動で立ち消えになった。戦後六十年、この東京駅を創設当初の建物に修復する工事が来年から始まる。(富)