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7月24日のまにら新聞から

安易なOFW避難策

[ 695字|2006.7.24|社会 (society)|新聞論調 ]

激化するレバノン空爆

 レバノンのイスラム教シーア派民兵組織ヒズボラに対するイスラエル軍の空爆から逃げまどう比人海外就労者(OFW)は、母国での困窮から脱出しようとレバノンに向かった人々だ。外務省によれば、レバノン在住の比人は三万四千人に上り、そのうち大半を占める二万五千人が家事手伝いで、残りはホテルや国連機関事務所の職員として働いたり、レバノン人と結婚している。

 米国やカナダ、豪州、フランス、英国を中心に各国の政府はすでに自国民を避難させている。だが、比はあらかじめ指定した「安全な場所」へ比人を避難させるかどうかを協議中だという。なんともお粗末な話だ。

 十八日午後の時点で比人一人が空爆で死亡したとのニュースが入っているのに、まだ避難命令が出されていない。ロムロ外務長官の指示は「比人をカトリック教会に移動させる」という内容にとどまっている。就労者問題担当のコネホス次官は「イスラエル軍はキリスト教徒の居住地を攻撃しないと思われる。なぜなら、攻撃対象は事前に計画され、特定化されているためだ」と述べた。なんとふざけた見通しだろう。イスラエルの爆弾に「イスラム教徒だけ」との注意書きがあるとでも言うのか。

 ベイルートの空港が空爆された後、ほかの国は船や陸路で自国民を退避させているのに、わが国は在留比人を避難させる準備さえ整えていないのは明らかだ。政府の役人がやっていることは何かできるというふりをするだけ。

 レバノンの危機は、比で悪化する貧困の安全弁として「労働力輸出」という表に出せない政策を推進するアロヨ大統領の愚行を再び表面化させることになった。(19日・マラヤ、エレン・トルデシリャス氏)

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