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7月24日のまにら新聞から

労働力の評価に影響

[ 694字|2006.7.24|社会 (society)|新聞論調 ]

看護師試験問題漏えい

 政府は、このほど行われた看護師資格試験の漏えい疑惑に関する報告について早急に捜査するべきだ。さもないと国は深まる疑惑の下、専門職の資格試験の公正さを保てない。看護師資格の国家試験での不正疑惑は、特に医療従事者が関係する他の資格試験の結果にも疑いの目を向けさせてしまう。

 不正疑惑が専門職の資格試験を損なうのは今回が初めてではない。似たようなスキャンダルは司法試験や医師試験にもあった。過去数年、短期大学や大学間の上位争いが不正スキャンダルの要因とされている。疑惑は通常、名を知られていない学校の卒業生が試験でトップになったり、名門校の卒業生より順位が良かった場合に持ち上がる。

 しかし司法試験では、不正行為で名前が汚された一流大学もあった。 学校運営者たちは卒業生の資格試験成果が入学者数に反映することを分かっている。しかし、名声とは不正行為によって維持されるものではない。合格者の低水準は実際の業務で化けの皮をはがされる。これを不満とする、特に海外にいる雇用者たちはすぐにフィリピン人をほかの外国人就労者に取り替えてしまう。

 比人海外就労者は各分野での技術力の高さと献身さで評価されている。国は模範的なサービスを提供しているこの労働力の評判を維持しなければならない。試験問題漏えいなどの不正によって専門職の資格試験の信用性がなくなれば、積み上げた評価が下落してしまう。

 不正が本当なら、政府は適切な罰を科すべきだ。政治家の介入や関係者の利権で犯人の追及と処罰が妨害されてはならない。われわれの優良な労働力が不正行為によって汚されてはならない。 (20日・スター)

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