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2月27日のまにら新聞から

民主主義を犠牲に

[ 699字|2006.2.27|社会 (society)|新聞論調 ]

非常事態宣言

 我々は最も強い言葉を用いて国軍の一部メンバーによる政権転覆を目指した計画を非難すると同時に、アロヨ大統領の非常事態宣言も非難する。今回の宣言は、国軍参謀総長が「差し迫ったクーデター」と呼んだ事態に対する必要のない無謀な反応であった。これで国民に対しアロヨ政権が政治的生き残りのために民主主義の原則を犠牲にすることもいとわないという印象を与えた。

 クーデターの危機は確かである。陸軍第一偵察連隊長だったダニロ・リム准将の拘束や国家警察特殊部隊を率いるマルセリーノ・フランコ警視正の逮捕は、制服組の反抗意識がかなり強まっていることを示している。

 しかし、今回の危機は通常の政府の権限内で十分対処できるもので、非常事態宣言は過剰反応といえる。

 国家に対する脅威が存在していることを前提とした非常事態宣言により、逆に経済に不利な影響を与えた。例えば、二十四日のペソレートは下がったのである。また、「左翼独裁主義者や軍部冒険主義者と連携する野党政治家の一部」について言及した宣言の部分はメディアによって誇張されて報道されたことも問題だった。

 しかし、この宣言は同時に、報道機関を今後厳重に取り締まるための前提を用意しているとも考えられる。デフェンサー大統領首席補佐官も「政府は公共機関を接収する権限を有している」と指摘しており、政権に批判的な意見を報じるメディアを今後取り締まるのは想像に難くない。

 我々はクーデター計画と大統領の宣言をいずれも暴力行為として非難する。また、いずれも民主主義に対する攻撃として、さらにエドサ革命の最高の理想を裏切ったものとして非難する。(25日・インクワイアラー)

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