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2月27日のまにら新聞から

伐採者を取り締まれ

[ 695字|2006.2.27|社会 (society)|新聞論調 ]

レイテ地滑り災害

 南レイテ州セントベルナルド町ギンサオゴンの村は今や、千四百人を超える住民を生き埋めにした地滑りの被害者を支援するために集まった世界各国の支援者たちが形成する国際テント村として表現される。実際、地滑りは世界共通の問題である。米国では全五十州で地滑りが発生しており、特にカリフォルニア、オレゴン両州など山岳と沿岸部を抱える州で被害が頻発している。アラスカやハワイでも発生している。

 フィリピンでは地滑りの主な原因は険しい傾斜地と大雨による相乗効果だとみられているが、真の原因は森林伐採である。さらに問題を深刻にしているのは違法伐採がはびこっていることである。しかも違法伐採業者は現地では身元が知られているにもかかわらず、これまで誰ひとりとして違法伐採の罪で告発、起訴され、有罪判決を受けた者はいないのだ。まず、これら違法伐採業者の名前を公にすべきである。

 ピメンテル上院議員はすでに二十五年間の森林伐採の完全禁止を求めた法案を提出している。同議員によると、現在、地表の五〇%以上が森林で覆われている州は十五州しかないという。また、同議員は、国内の弁護士会に対し、南レイテ州の地滑り災害を引き起こした違法伐採業者を起訴するよう求めている。伐採業者を取り締まる法律は整っている。施行するだけである。

 とにかく違法伐採業者の名前を明らかにし、告訴することである。政府自体もこの法律によって取り締まりを受けるかもしれない。かつて地滑りと言えばバギオに続くケノンロードで発生したものを意味していた。今や伐採で地肌がむき出しとなった全国で起こっているのだ。(25日・スター、アレハンドロ・ロセス氏)

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