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2月6日のまにら新聞から

「良薬は口に苦し」

[ 683字|2006.2.6|社会 (society)|新聞論調 ]

VAT税率引き上げ

 国民は付加価値税(VAT)増税という苦い薬を飲んだ。政府は税金を適切に徴収することで国民の行為が無駄にならないようにすべきだ。一二%に引き上げられたVATは汚職まみれの徴税担当者の懐でなく、国庫にきちんと納められるべきだ。また、VAT増税が脱税者を利するものであってもならない。

 消費者にとって逃れることのできないVATの一二%への引き上げが今月一日に実施された。国民は、死と同じようにこの消費税からは免れることができない。車を持つ者はVAT引き上げの直前にガソリンスタンドに列を作った。また、薬の値段が上がることを懸念した者はドラッグストアの前に長い列を作った。多くの消費者が、物価の上昇を予測し、ここ数週間のうちに耐久消費財の購入に走った。

 消費者が苦しむ一方、財政改善への期待感からペソと株価は上昇している。しかし、財政改善は政府による徴収作業の効率性にかかっている。例えば、医療や法律の専門家は依頼者に対し選択肢を与えることができる。VAT徴税に反映する領収書を発行し精算するか、領収書をなしにする代わりに割引をするか。双方が得をする後者が選ばれるのは言うまでもない。この結果、実際の所得に基づく納税をしない脱税者が多くなる。

 政府による反脱税キャンペーンにもかかわらず、脱税は依然として存在する。VATは莫大な財政赤字削減に向けて引き上げられた。もし税金が集められるのであれば赤字額は減少するだろう。徴税を適切に実行するとともに、政府は税金を公平に使用せねばならない。税率引き上げを承認した最大の理由は、よい政府運営のためだからだ。(2日・スター)

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