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1月23日のまにら新聞から

統率力失う国軍

[ 622字|2006.1.23|社会 (society)|新聞論調 ]

逃走事件が示唆するもの

 反乱将兵逃走事件直後、エスペロン陸軍司令官は若手将校とは「一心同体」であると明言した。師団長級の将官から指令系統が機能しているとの報告を受けたらしい。

 同司令官は、師団長たちが「若手将校たちは『汚職と選挙不正』で現ポストに居座る国軍最高司令官(アロヨ大統領)打倒の時期を計っている」と報告するとでも思ったのだろうか。

 二〇〇三年の国軍将兵反乱事件に参加した将兵四人の逃走は軍内の不協和音を明示している。

 反乱将兵は国軍内の退廃した体質改善を目的にして結集、〇三年に決起した。それ以降、軍内汚職は激減したとはいえ、将官級軍人たちは汚職から足を抜き切っていない。

 反乱将校の公判を担当するサギサグ弁護士は記者団の「脱走兵を支持する将校は軍内にいるのか」との問いにこう切り返した。「適切な質問は国軍内にアロヨ政権の支持者がいるのかどうかだ」

 退役軍人でもあるエルミタ官房長官は、国軍が将校逃走後、厳戒態勢を敷いたのは通常通りの判断で、逃走を再反乱への序曲と解した訳ではないと強調した。また、反乱将校は一握りの軍人にすぎないとも言い切った。

 今回の逃走が反乱再発の引き金を引くとはまでは言えない。恐らく、再反乱を誘発させるのは当のアロヨ政権が取る何らかの行動であることは間違いない。

 大統領が〇七年の統一選挙廃止を盛った改憲案を押し進め、国家を退廃へと導こうとしている現在、国軍が真の国民の盾となる日はそう遠くはない。(19日・マラヤ)

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