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8月22日のまにら新聞から

楽観は許されない

[ 688字|2005.8.22|社会 (society)|新聞論調 ]

デング熱の流行

 花のにおいに誘われ立ち止まっている間に蚊に刺され、翌日は病院で生命の危機を迎える。これが熱帯で暮らす危険だ。厚生省は十五日、全国にデング熱の警戒警報を発令したが、人々は少しも注意を払っていないようだ。今年一月以来、デング熱患者は国内で一万四千百四十二人確認され、うち百八十九人が死亡した。この数字は五年前の流行時とほぼ同水準である。 

 今のところ同省は非常事態を宣言していない。だが、毎週のように五百人にも達する新たな患者が報告されている。保健当局はこの事態を楽観視しているようだ。つまり、デング熱に対する国民の認識が改善されたために今年の報告件数は多く、結果的に、患者は適切な治療を受けることができていると解釈している。

 確認件数の増加理由が何であろうと、警報には注意を払うべきである。デング熱の最大の予防方法はデングウイルスを媒介する蚊の繁殖場となるよどんだ水たまりを作らないよう生活環境に配慮することだ。特に、デング熱に冒されやすい子供らには注意が必要だ。蚊は常に覆われていない肌を刺す機会をうかがっている。すべての学校関係者が施設を清潔に保つよう心がけるべきだ。例えば、花壇の水たまりや古タイヤ、捨てられたボトルのふたでさえ蚊の繁殖場になりえる。地方自治体は保健当局と協力して消毒を徹底せねばならない。

 早期発見こそ命を救う。特に地方の住民にはデング熱の兆候の適切な情報を与えなければならない。長年、ただの高熱と勘違いされ、多くの命が奪われてきた。われわれはこの致命的な病気に関して十分な経験を有しているはずだ。これ以上の死者のは許されない。(17日・スター)

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