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8月22日のまにら新聞から

比経済、生死の岐路

[ 701字|2005.8.22|社会 (society)|新聞論調 ]

新VATの施行延期

 サルセダ上院議員が付加価値税増税法(新VAT法)の施行延期を提案した。国民は原油価格の高騰を背景にこれを歓迎しているようだ。元売り企業は毎週のように石油製品価格を値上げし、ガソリンと軽油は昨年十二月からそれぞれ一六%、三〇%上昇した。しかし、車両用ガソリンは石油利用の一つに過ぎない。

 価格高騰の影響は輸送料、食品価格に波及している。ある統計によると、市場で小売りされている魚のコストの半分は輸送費が占めている。現在、平均的な魚の小売価格は一キロ百ペソ程度。その半分が輸送費だとしたら、石油価格の高騰に加え、さらに新VAT法が施行されれば食費は一体どうなるのだろうか。

 同法が施行されると、石油製品は今年一〇%課税される。さらに大統領府が来年以降、一二%にまで税率を引き上げた場合、末端商品の価格にまで影響が及ぶのは必至だ。

 比経済の破たんを懸念する債権者は同法成立を財政再建への大きな一歩と歓迎した。しかし、七月の最高裁による法施行の仮差し止め決定は国際投資家からの反発を生み、政府発行の国債など債券格付けのさらなる引き下げを招くとの警告を受けた。  

 すでに国家予算の三分の一が債務返済に費やされている。債券の格付け引き下げはさらなる債務返済の負担拡大につながる。これは教育や社会保障などの予算削減を意味する。また、現在の状況が続けば、国の競争力はさらに弱まり、政府が雇用創出、国民所得増への頼みの綱としている国外投資家の比への投資が減少する可能性がある。

 私たちのなすべき選択は明白だ。世界経済の中で比が生き残るために新VAT法という苦い薬を飲まなければならない。(16日・タイムズ)

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