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6月13日のまにら新聞から

ブニエ解任は必至

[ 673字|2005.6.13|社会 (society)|新聞論調 ]

盗聴CDの公表

 「ブニエさん。大使にでもなる」。報道長官は近々こう言われ、辞任を迫られるだろう。大統領の携帯電話盗聴CDを公表した報道長官への大統領府からの圧力は不可避の情勢だ。

 CD公表後、報道長官は大統領府から姿を消した。エルミタ官房長官は八日、「CD公表は報道長官の独断だ」と発表しており、報道長官は休暇を取らされているのであろう。

 だが、官房長官の主張には納得できない。報道長官の行為は国民から信用を失っている政権にとっては有効だった。また、「偽物」CDの存在を公にすることは、四日にマラカニアン宮殿で行われた大統領と側近による緊急会議の議題でもあった。

 フィリピン調査報道センター(PCIJ)によると、CDの扱いはこの会議で討議され、幾つかの選択肢の中から、大統領府が先制攻撃を仕掛けるとの決定がなされた。会議中に流されたテープを聞いた出席者からは「背筋が凍る」との声が漏れたという。

 官房長官派が報道長官を「アロヨ船」から突き落とそうとしていることには困惑する。盗聴会話には報道長官が漏らした以上の内容が録音されているのだろう。

 ブニエ報道長官の説明は単純明快である。政府転覆のために野党がテープを編集して昨年の大統領選でアロヨ大統領が不正を行ったと見せようとしたというものだからだ。

 報道長官のCD公表は政情を判断すると適切だった。問題は誰もが彼を信用せず、大統領の「最悪」を信じたことだ。「最悪」とは編集前のテープでの真実の会話内容を指す。報道長官は「病床」から解放され、安堵のため息を漏らしているのではなかろうか。(9日・マラヤ)

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