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5月23日のまにら新聞から

有言実行で結果出す

[ 677字|2005.5.23|社会 (society)|新聞論調 ]

国税局の増収

 脱税者取り締まりキャンペーンを始めて間もない四月、国税局が記録的な税収増を実現させた。税収は前年同月比一八・七%増の六百二十億ペソに達し、アロヨ大統領は「これでわれわれは未来を楽観できる」と喜んだ。

 パライノ国税局長は「税収増は、キャンペーンにより国民の納税義務意識が高められたためだろう」と分析。しかし、民間の経済アナリストからは「喜ぶにはまだ早い」と冷めた声が聞かれた。

 「勝ってかぶとの緒を締めよ」だが、パライノ局長の有言実行は評価に値する。キャンペーン開始に当たり、同局長は「誰であろうと証拠があれば刑事告発する。大物であるほどいい」と述べた。まゆをひそめる者もいたが、見事に結果を出した。

 これまでは、年間に富裕層の一人でも脱税で訴追されれば「注目すべき年」とみなされた。しかし、国税局はキャンペーン開始からわずか七週間で、大手企業に有名俳優や女優、プロのスポーツ選手など十六件の脱税事件を告発した。口ばかりの官僚が多い中で、パライノ局長は行動の大切さをわれわれに教えてくれた。

 キャンペーンで「高額所得者は税金を支払わず庶民が割を食っている」とする国民の間の不公平感も薄まり、財政危機を乗り切るための増税も多少なりとも受け入れられやすくなったはずだ。

 不満があるとすれば、同局長が政治家の告発に乗り気でないことだ。だが、調査をすれば、多くの政治家が政府からの給与では考えられない豪邸や高級車をなぜ所有できるのか説明を迫られることになるだろう。脱税の大物は財界と政界にいる。大半の政治家は経営者でもある。(19日・インクワイアラー)

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