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12月13日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 534字|2004.12.13|社会 (society)|ハロハロ ]

 フィリピン人男性と日本人の女性が離婚した。母親のるす中に父親が幼い一人娘を乳母ごと連れ去った。若いP弁護士が裁判で人身保護令を盾に「幼児には母が必要」と主張、娘をどうにか取り戻した。

 ここからがこの国ならでは。父親が出身州の地方裁判所に親権確認訴訟を起こすと、判事がすぐ娘の身柄引き渡し命令を出した。

     ▽

 廷吏が令状をもって、母親宅に現れる。P弁護士が「そんな命令には従わない」と追い返した。怒った地裁判事が弁護士に逮捕状を出したらしい。母親は娘を抱いて身を隠した。

 同じ訴因で訴訟は二度できない。「一事不再理」の原則は、法律専攻の大学生なら誰でも知っている。ところが、この国の裁判官は平気で無視する。

 「どうして」とP弁護士に聞くと、こともなげに、「裁判官が買収されたに決まってます」。ツテさえあれば法の番人すら買収できるというのだ。

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 逮捕されても上級審で勝つだけと割り切る。「政治家も官僚もすべて腐敗している。改革を叫ぶ人がいつのまにかカネをつかまされている。当分、きれいな国にはなりません」。P弁護士は不敵に笑った。

「私にもかわいい娘がいます。娘の未来のために戦うだけ」優れた若者たちが絶望を隠して黙々と戦っている。(水)

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