ビサヤ・ミンダナオ通信
[ 322字|2004.11.22|社会 (society)|ビサヤ・ミンダナオ通信 ]
ある赤ちゃんの死
北アグサン州ブトゥアン市のオベレロ・バランガイ(最小行政区)に住むドロレス・フェリシルダさん(61)の娘が十日夜、赤ちゃんを早産した。どうしても保育器に入れなければならない。
フェリシルダさんは赤ちゃんを抱いて州立病院に飛び込んだが、病室も保育器も満員とすげなく断られた。次に、近くの私立のブトゥアン・ドクター病院に行ったが、頭金五千ペソを払うのが入院の条件。「貧乏で払えない。診察だけでもしてください」と泣きついたが、拒絶された。
夜道を八キロ歩いて市立病院にたどり着いたが、ここも保育器は満員。フェリシルダさんが哀訴しているうちに、赤ちゃんは腕の中で冷たくなっていた。カネのない患者を入院拒否する例は珍しくない。(16日・ブリティン)