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11月8日のまにら新聞から

比国民への侮辱

[ 684字|2004.11.8|社会 (society)|新聞論調 ]

カミカゼ像の建立

 「カミカゼ」という日本語は「神聖な風」という意味で、モンゴルの日本侵略を阻止した台風に起源を持つ。太平洋戦争中は、米軍に対する日本軍機の自殺攻撃を総称する言葉として使われた。当時、特攻機の体当たり攻撃を防ぐ決定的な方法はなく、米中枢同時テロの実行犯と同様に「カミカゼ」は究極の恐怖を象徴する存在だった。

 この特攻機を操った日本人操縦士の像が最近、特攻基地のあったパンパンガ州マバラカット町に建てられた。うそか誠か、像は「平和」のために建立されたという。

 これは、悪名高き国際テロリストの像を平和の象徴と偽って建てるようなものである。パンパンガ州出身のアロヨ大統領は、像建立が政権攻撃の材料に使われる前に、平和を侮辱する像を建てた個人・グループに関する調査を始めるべきだ。

 地元自治体関係者が建立にかかわったという情報がある。太平洋戦争中、「マカピリ」(旧日本軍の比人ゲリラ狩りに協力した比人の俗称)と呼ばれる人々がいたが、これらマカピリの子孫が像建立に関与していたとしても不思議ではない。

 大統領には、地元自治体と会合を持ち事実関係を確認するよう勧める。建立者の名前を割り出せなかった場合、建立費の出所を含めた本格的調査を行うべきだ。

 比人は、コレヒドールなど米軍拠点陥落後も、日本軍と戦った。抗日ゲリラの像を一つとして建てることなく、マニラを破壊した軍隊を象徴する像の建立を許してよいのか。カミカゼ像建立は日本軍と戦った比人兵士、そして比国民を侮辱する行為である。直ちに撤去し、代わりに抗日ゲリラ像を建てるべきだ。(4日・スター、アレハンドロ・ロセス氏)

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