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9月27日のまにら新聞から

所得税の引き上げを

[ 701字|2004.9.27|社会 (society)|新聞論調 ]

職権乱用と増税

 優先開発補助金(ポークバレル)を巡り大統領と国会はやらせ芝居を続けている。大統領が国会議員にポークバレルを四〇%削減するよう求め、国会も大統領にポークバレルもどきの社会基金の撤廃を訴えているが、国民向けの見せ物に過ぎない。大統領が真剣にポークバレルの削減を望んでいるのなら、自分が提案する予算案からその分を削減すれば良い。議員も予算案から社会基金分を削減すれば良い。

 憲法で国会議員が自分たちの給与を引き上げることを禁じているため、議員はさまざまな手当を創り出してきた。それは公用車や運転手、ガソリン代から旅行、通信や住宅、娯楽から食糧費までカバーしている。政府系企業や金融機関の場合には、その役員たちが自分たちで給与を引き上げ退職金を増やすこともできる。フィリピン開発銀行の役員は「事務所及びスタッフ人件費」として七万五千ペソの予算があてがわれ、親戚を二人までスタッフとして雇えるよう定款を改正していた。これにはさすがの政府の会計監査委員会も異議を申し立てている。

 自分たちの手当を割り増しする権利は国会議員や政府系企業の役員だけの特権ではない。地方議会の議員も例外ではないのだ。公金で高級車を乗り回し、任期が切れると自治体に返しもしない。それぞれの首長や公社総裁は一種の賄賂としてこのような特権を議員や役員たちに与えているのであって、大統領が国会議員に与えているポークバレルもまったく同様である。

 こんな職権乱用がまかり通る中、大統領は増税で国民からさらに絞り取る構えだ。実施するのであれば富裕層への所得税を以前の七〇%に戻すことを提案したい。(24日・インクワイアラー、ニール・クルス氏)

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