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7月12日のまにら新聞から

国民感情は「失望」

[ 689字|2004.7.12|社会 (society)|新聞論調 ]

第二期政権の閣僚人事

 第二期アロヨ政権発足で、早くもえこひいき主義の政治が頭をもたげてきた。第一にリナ内務自治長官の辞任。選挙でアロヨ大統領がラグナ州で勝てなかったことが原因とみられている。リナ長官はかつて同州知事だった。次に国民から嫌われている二中央選管委員の再任。さらに現職のソリマン長官が抗議する中、デカストロ副大統領が社会福祉開発省の長官職を兼任することが決まった。

 ソリマン長官は適任とされ、実績を残してきたポストを辞任することを嫌がったと伝えられる。しかし結局は、選挙で大統領と組んだ見返りに副大統領が欲しい物を手に入れた。もし、ソリマン長官が無能ならば今回の人事は歓迎されただろう。だが、副大統領がよりふさわしいとの理由は見つからない。

 山積する深刻な問題は最善の人材を充てて解決せねばならない。当然、大統領は能力主義に基づいた政府作りを約束した。だが今、われわれが見ている現実はそれからは程遠い、相変わらずの縄張りや見返りを要求する政治だ。副大統領が当初提示された国家貧困対策委員会の委員長職をけって社会福祉長官職にこだったことは、彼が利己的な小物の政治家であることを図らずもさらけ出した。

 いずれにしても、大統領による今回の一連の人事が野党勢に格好の攻撃材料を与えたことは間違いない。国民は第二期政権発足に当たり、大統領がメディアと良好な関係を築き、野党勢と一時的に矛を収め合うのではないかと期待していた。だが、「ポリティカル・アニマル」と呼ばれる大統領は自らその可能性を消し去ってしまった。国民の今の感情を表現する言葉は「失望」以外にあり得ない。(7日・インクワイアラー)

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