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6月7日のまにら新聞から

ハロハロ

[ 513字|2004.6.7|社会 (society)|ハロハロ ]

 フィリピンの大統領選は最終集計段階に入った。与党連合によると、現職のアロヨ大統領が人気俳優の野党連合統一候補、ポー氏を破って当選が確実という。しかし、その差はアロヨ約千二百八十万に対しポー千百七十万という少差である。あれだけ現職の強みを生かして直前にばらまき行政を実施、違反すれすれの大宣伝を繰り広げたのに、アロヨ大統領がゴールでつけた「着差」は競馬でいえば頭差程度である。

 一方のポー候補は①政策綱領が出せないなど政治歴の未熟さ暴露②テレビ討論会は拒否③人気が上昇するとペソ下落④メディア嫌いで随行新聞記者からは総スカン|などおよそマスコミの評判は悪かった。政権に批判的な新聞からも、よくこんな人物が大統領候補に、といわんばかりに酷評された。

 両者にこれだけの有利,不利があってなお、わずかに百万票ほどの差である。ポー候補は勝利を宣言しており、混迷が続いている。よくいわれるフィリピン社会固有の階級的格差だが、これほど歴然と現れるとは。「(大統領になったために)国民を二分させた」ことを理由の一つとして一昨年暮れ、突然大統領選不出馬を表明した人が、前言を翻したおかげで国家の亀裂をさらに大きくしたようだ。(紀)

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